事業概要

事業概要

1、区の現状

渋谷駅周辺をはじめ、区内に多くの落書きが描かれ、生活環境を守るうえで課題となっている。これまで、落書きについては、描かれた建物などの所有者等に消去の依頼を行ってきた。

しかし、概して依頼に対する所有者等の反応は鈍く、背景には、費用面や体力的問題等の諸事情があるものと考えられる。所有者等の落書き消去が遅々として進まない中、落書き行為は後を絶たず、区内落書き個所・面積は年々増加し、範囲も拡大する傾向にある。

2、事業の目的

当面の間、区も落書き消去の主体となることで、区内落書きの絶対量を減少させ、まちの美観の維持とともに、割れ窓理論で知られる「小さな犯罪が大きな犯罪を呼ぶ」状況を未然に防ぐことを目的とする。

3、事業の概要

① 事業方針

公共物・民間所有物を問わず、通報に基づき落書き個所の特定と消去を行う。また、落書き消去・防止の自主的な活動を広く呼びかけ、地域活動を主とした、まちの美観の維持・回復を目指す。

② 事業スキーム

本事業は、以下ア~ウの3点により実施する。

ア 通報窓口の開設

既存のLINE通報の活用のほか、区民等からの落書き被害箇所の通報や落書き被害の相談等の受付に特化した窓口「落書き通報受付センター」を開設する。また、電子媒体による通信手段を拡大するためアプリ等の導入を進める。

イ 落書きの消去

消去作業は現地確認、落書き被害建物等の所有者等の作業承諾の後、作業環境確保に係る諸手続き等を経て、実施する。その他、消去の対象等、消去作業に係る必要事項は「渋谷区落書き消去支援事業実施要綱」(令和3年3月30日区長決裁)による。

ウ 消去作業後の再発防止に係る関係者への協力依頼等

落書き消去の方法や再発防止策の説明、落書き消去の協力依頼等、落書き撲滅に向けた様々な啓発を行う。その他、区内3警察署、一般社団法人やボランティア団体、事業者等の地域人財との連携を強化し、区内各地域に落書き撲滅に向けた機運醸成に努める。

③ 実施体制

本事業は、一部を業務委託により実施するほか、区の関係所管と適宜連携し、進行させる。

④ 対象地域

本事業は、原則として区内全域を対象とする。なお、本事業を効果的・効率的に実施するため、区職員による目視調査等から被害の著しい地域を重点地区と位置付け、集中的に取組みを進めるものとする。

⑤ 令和3年度重点地区

ア 原宿竹下通り

地区の特性:狭い範囲(約350m)内に集中して描かれている。人流が多い場所である。

イ JR山手線沿い区道(渋谷恵比寿間)

地区の特性:広範囲(約700m)に分散して描かれている。人流の多少が場所によって異なる。

4、実施予定期間

令和3年4月1日から令和6年3月末日までの3年間、予算の定める範囲で実施するものとする。